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#コーポレート

目指すは日本のシリコンバレー リテールDXの最先端基地 #2

野田大輔
野田大輔
執行役員 兼 広報室室長

2021年7月、福岡県宮若市の協力により宮若市内にトライアルグループのリテールDX開発拠点が立ち上げられた。プロジェクト名は「リモートワークタウン ムスブ宮若」。博多から車でおよそ1時間、自然豊かな地域にある3つの廃校を活用している。「リモートワークタウン ムスブ宮若」は2023年現在、トライアルグループが推進するリテールDXの進化を飛躍的に加速させるために、小売に関わる多くの企業が競合の垣根を超えて集結し開発・研究を行う“日本最先端の小売と流通業のテストベッド”となっている。

前回(目指すは日本のシリコンバレー リテールDXの最先端基地 #1)は、プロジェクトにかける思いや背景を紹介したが、第二弾となる本記事では具体的にどのような施設が並んでいるのか・何の研究が行われているのかを紹介していく。

 リテールDXの進化を支える3つの施設>

野田「現在稼働している施設は大きく3つあります。1つ目は「MUSUBU AI」です。

AI研究開発者が、トライアルの購買データをクローズに使えてかつ自由で快適に議論できる環境を整えました。またサテライトオフィスやプロジェクトルームを備えることで日本中と繋ぎ、距離による障壁をなくしております。現在は30社を超えるメーカーや企業が集まってエコシステムを構築しています。今後も更なるオープンイノベーションの場として活用していきます。

2つ目は「TRIAL IoT Lab」です。

ここは最先端のIoT技術の開発、高度化を図る場所としてデバイス開発センターの機能を備えています。店舗で使われているスマートショッピングカートやデジタルサイネージなどが研究・開発対象にあたりますね。ここ「TRIAL IoT Lab」で名デバイスの試行錯誤を繰り返しお客様にとってよりお買い物がしやすい環境づくりを進めています。

そして3つ目は「MEDIA BASE」です。

ショッパーマーケティングを発展させていくために欠かせないコンテンツ開発や、店頭での新たなコミュニケーション手法を模索しています。また、トライアルグループのSNS運用部隊なども在籍しており、常にお客様によりよい情報を届けることを徹底しています。

特に前者については、トライアルのデジタルサイネージに流れるコンテンツの量は年間約1500から2000種類にも及んでおり、商品ごとに最適なコンテンツは何か?というのを日夜研究しています。」

<実証実験の舞台となる店舗>

野田「本プロジェクトの実証実験の場となる店舗「スーパーセンタートライアル 宮田店」も、2021年10月にオープンしています。トライアルグループの既存のスマートストア同様、自社開発のスマートショッピングカートやリテールAIカメラ・デジタルサイネージといった機器を備えている他、店舗初実装となる冷蔵ケース「AI冷蔵ショーケース」を初めて設置したのが宮田店です。」

野田「AI冷蔵ショーケースは、AIカメラやセンサーで商品の欠品を監視する冷蔵ケースです。従来は欠品が発生していないかどうかはスタッフが目視で確認していましたが、このショーケースは、これらの業務をAIカメラやセンサーが代替してくれます。どの商品がいつ頃欠品したかを店舗のスタッフに情報連携してくれるので、商品の発注や補充業務の大きなサポートになります。ケースにはLEDが設置され、色によっていつ欠品が発生したかがわかるようになっているので、店舗スタッフでも直感的に理解しやすい工夫がなされています。」

野田「研究・開発施設と、実証実験をできる場が近くにあることは大きなメリットだと感じています。実験のサイクルがスピーディーになることはもちろんですが、”店頭のお客様の反応を開発者たちが直に見ることができる”という点に非常に価値があると思うからです。」


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