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名水100選の水を29円で販売するには? (後編)

トライアルグループ広報
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トライアルグループの広報チーム

名水100選の水を29円で販売するには? (後編)

トライアルのPB(プライベートブランド)である飲料水「阿蘇くじゅうの天然水」についてのインタビュー。前編ではその特徴や採水地におけるこだわり、水質維持の取り組み等を聞いてきた。後編では低価格を実現した製造スキームや今後の展望に迫っていく。

前編はこちら

―「阿蘇くじゅうの天然水」の製造は専門の業者に委託するという選択肢もあったと思います。なぜあえて自社工場を立ち上げ、製造を行っているのでしょうか。

村田
「一番は商品を安定した価格で供給するためです。阿蘇くじゅうの天然水を製造しているトライアル飲料由布工場では、同じくPBの「鹿児島県産茶葉の緑茶」も製造しているのですが、どちらの商品も最初は外部のパートナー企業に委託する形をとっていました。

トライアルの大きな特徴の1つとして”日替わりや特売を行わない”というものがあります。これにはEDLP(Everyday Low Price)という考え方があり、お客様が欲しい商品を欲しい数量分、いつ来店しても欠品なく買っていただける体制を整えるためです。

これまではお客様のニーズを予測しつつ十分な量の商品を仕入れ、販売を行ってきましたが、近年の経済動向の影響もあり原料価格の高騰や商品の安定調達が難しい状況になったことをきっかけに自社工場というチャレンジに至ったのです。

価格や調達状況に変動があった商品はいくつかありましたが、お茶や水は特に外部要因での影響を受けやすかったので、我々飲料事業のカテゴリーでプロジェクトが進みました。」

―”自社工場の製造”という点が、2L59円~という低価格帯の実現に繋がっているのでしょうか。他にもポイントがあれば教えてください。

村田「そうですね。自社工場で商品を製造しているのは勿論ですが、ペットボトルの製造も工場で内製化したことで大幅なコストダウンを実現できました。SPAという元々はアパレル業界の製造における考え方があり、商品の企画設計から原料の仕入、製造、物流、販売までを一気通貫で1社が担うビジネスモデルなのですが、それの飲料版と考えてもらうとイメージしやすいかと思います。」 

村田「今回のプロジェクト発足に際し全国各地の様々な工場を訪問していたのですが、そこでペットボトルを自社製造すれば原価を大幅に抑えられることが見えてきたのです。なので商品自体の製造機能を整えるとともにペットボトルも一貫で製造することを決めました。」


容器について、2Lのものは一般的な冷蔵庫に収まりやすい規格の角ボトルにしています。持つところをへこませ、注ぎやすい形状にしました。500ml容器は飲みやすい形状にこだわり、女性や子供でも握りやすい幅に設計しています。」
 

―お客様からの反響について教えてください。

村田「非常にご好評いただいていると自負しています。直近では需要の拡大に伴い生産が追いつかなくなり、2023年2月に設備増設工事を行ったほどです。生産能力は増設前の2倍になり、2L容器と500ml容器を合わせた昨年の年間売上は3,200万本となっています。

ここまでお客様に支持していただけているのは、やはり地域最安値レベルの価格と味の美味しさ、そして安全性の3つを実現しているからだと思っています。」


―最後に今後の展望をお聞かせください。


村田「現在は九州にしか工場が無いので、九州~西日本エリアの限られた地域での販売になってしまっています。今後は東日本のエリアのお客様にも展開できるよう、準備を進めたいと考えています。


阿蘇くじゅうの天然水は開発当初から高品質な仕上がりにこだわり、結果的に国内大手飲料メーカーと比べても遜色ない商品が完成しました。飲料や普段のお料理に使われる生活水として、また災害時の備蓄としてもミネラルウォーターの重要性は増しています。今後も安心安全なお水を低価格で安定的にお客様にお届けできるように、取り組んでいきたいと思います。」