トライアルのアパレル事業 定番の”998円フリース”をはじめ人気商品の裏側に迫る
トライアルでは食品から生活用品まで幅広い商品を扱っているが、実はアパレルの一部商品は自社開発のプライベートブランドのものが並んでいる。トライアルのアパレルは、手に取りやすい価格とその着心地の良さから隠れた人気商品となっており、今年の4月にはアパレル事業拡大に向けて本格的に舵が切られた。
アパレル事業を支えるヒット商品
トライアルの流通小売り事業において、アパレル事業が占める売上高は2.9%だ(24年6月期決算より)。決して大きくない数字に見えるかもしれないが、数万点規模で売れるヒット商品を複数生み出せたことで徐々に増収のペースにあり、同事業の前期の売上と比較すると21.7%の成長を見せている。
フリースやTシャツなど性別・年代を問わない定番の人気商品もあれば、3D技術を活用してシルエットと履き心地を追求した〝よろこ美レギンスパンツ〟(税込み998円)は、2023年の春夏物で17万本を売り上げた。
(左:らくにのび~るストレッチパンツ 中央:ライトパフベスト 右:BIGTシャツ)
この秋には、毎年好評の「シルキーフリース」がパワーアップして発売された。優れた機能性と税込みで998円というリーズナブルさで年々注目度は上がっているが、お客様の声をより反映してさらに着心地よくリニューアルをした。今年のための新デザインも開発している。
商品開発マネジャーを務める岡村はこう話す。
岡村「トライアルのシルキーフリースの今年のコンセプトは『はたらくアナタに。くつろぐアナタに。』です。仕事や家事、お出掛けにとオールマイティに大活躍するフリースを作りたいと思って、この商品を開発しました。昨年は約50万枚を販売し、「軽くて毛足の長さもちょうど良いので、着たままでも家事がしやすい」「あまりモコモコしない」など、寒い冬に重宝すると喜びの声をたくさんいただいています。
一般的なフリースは毛足の短いマイクロフリースか、毛足が長くボリュームのあるファーフリースを使用していますが、トライアルのフリースはその中間にあたる毛足の長さです。シルクをまとったような着心地と肌ざわりを実現しました。サイズやカラー展開も豊富なため、どんな世代の方も着用しやすいかと思っています。」
岡村「一部の型は毎年デザインをリニューアルしています。トライアルはファミリー層のお客様も非常に多いので、今年の秋冬も多くのお客様に楽しんで着ていただけることを重視し、ワンちゃん、ペンギン、アザラシなどトライアル独自の可愛らしい動物のイラストをモチーフにしたデザインをたくさんご用意しました。
また今年は3,000着限定で「シルキーフリースノーカラージャケット」という首回りがすっきりしたタイプのものを新たに発売します。お客様から『襟のあるスタンドカラータイプは、首回りが暖かいけど、ファンデーションがついてしまう』とお声をいただいたことをきっかけに開発しました。」
機能性と価格の両立
岡村「フリースは機能性にもこだわりがあります。例えば冬用の服に欠かせない”保温性”です。トライアルのフリースは保温率60.1%となっており、通常のあったか肌着は20~30%、アクリル毛布は80%程度ということから考えると、かなりの暖かさであることがお分かりになるかと思います。社員の中には一人で6枚持っている方もいるほどです。
その上で998円という価格を実現できるのは、徹底したコスト管理によるところが大きいです。流通コストをはじめ、削減できるところは常に見直しをしています。特に工場との連携を大事にしていて、改善点を相互で洗い出して解決策を講じるなど、この価格でお客様に提供することにこだわりを持って皆取り組んでいます。もちろん安さを追求するだけではなく、品質を保ち安心感を持って使っていただけるよう、毎年少しずつ改良も重ねています。初めての方はもちろん、これまでご購入いただいた方も、ぜひ改めて店頭でチェックしてみてください!」
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