ロゴ
グローバルアイコンJAベクターEN

NEWS ROOMニュースルーム

PDF

世界初※1! 民間企業の購買データと医療データを連携した研究開発実施へ「トライアル」の購買データを九州大学に提供 ヘルステック分野でのオープンイノベーションを促進

株式会社トライアルホールディングス(福岡県福岡市、代表取締役:亀田晃一 以下、トライアルHD)は、九州大学のオープンサイエンスプラットフォームに参画し、傘下の株式会社トライアルカンパニーが運営するディスカウントストア「トライアル」の購買データと九州大学病院のビッグデータを活用して病気の「超早期発見や予防」等を含む包括的ヘルスケア分野のイノベーション創出に挑む、ヘルステック分野での産学連携の取り組みを開始します。

トライアルHDが九州大学に提供するのは、「トライアル」で購入された商品データと、購入者の性・年代データ(個人を特定し得ないデータ)です。これらデータを医学的視点から分析し、属性ごとの生活習慣の推測や、健康上のリスク測定等を行うことで、病気の「超早期発見」や「健康寿命延伸」など新たな価値創造を目指します。これまで民間企業の購買データをヘルステック開発に活用した事例はなく、今回の取り組みが世界初と言えます(※1)。

 トライアルグループと九州大学は2018年から連携し、トライアルHD取締役 兼 株式会社Retail AI(本社︓東京都港区、代表取締役社長 永⽥洋幸 以下、Retail AI)代表の永田洋幸らが、小売リアルデータを用いた分析授業を同大工学部で行っております。また、福岡県宮若市でのリモートワークタウンムスブ宮若プロジェクト(産官学による“新しいまちづくり”)でも両者は協働しています。

 Retail AIは、スマートショッピングカート(セルフレジ機能付きタブレットを搭載したショッピングカート)やリテールAIカメラ(小売業に特化したAIエンジン搭載カメラ)など小売店舗向けIoT機器を開発し、それらを「トライアル」のみならず他企業が運営する複数のスーパーマーケットにも納入しています。また、メーカーや卸などと業種を越えて連携し、流通業界全体のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の旗振り役も務めています。顧客の購買データや店舗オペレーションで生じる各種データの収集・分析・活用において経験値と知見を蓄積しており、今回のオープンサイエンスプラットフォーム参画を通して、これらの経験値や知見をヘルスケア分野での新たな価値創造に繋げたい所存です。
 「ITのちからで流通を変える」というスローガンを掲げ、他企業や他業界とのデータの共有・活用によるオープンイノベーションを行ってきたトライアルグループにとっても、大学及び大学病院が持つメディカルデータとの連携や、ヘルスケア分野でのイノベーション創出は初めての試みです。九州大学との積極的な協働により、自社の持つ無形資産を社会への貢献に活かして参ります。
※1…九州大学大学院システム生命科学府長 片山佳樹氏による

<オープンサイエンスプラットフォーム(OSP)とは>
 ふくおか産学共創コンソーシアムに参画する9社の企業(トライアルHD含む)と自治体等、および九州大学の研究者や学生が、オープンな場において九州大学病院のビックデータや各企業が保有するデータを共有し、データに基づいたアイデアからイノベーションを創出する仕組み。今後最大のマーケットであるヘルステック市場において、様々な企業の技術を価値に転換することを目的として2020年に開始し、2021年4月にトライアルHDが新規参画した。OSPは、イノベーション創出手法として認知されているデザイン思考法を用いながら、その問題点であるアイデアの確実性をデジタルトランスフォーメーション(DX)により担保する初めての試みである。

<株式会社トライアルホールディングス取締役 兼 株式会社Retail AI 代表取締役社長 永田洋幸 コメント>
 弊社は創業以来、ITを駆使してリテールを変革することを企業理念としています。そのためには多様なデータが不可欠であり、データを集め、また活かすために多くのトライを行ってきました。今回九州大学様と連携し、弊社の購買データを活用することで、ヘルステックにイノベーションを起こすことができるかも知れない―データ活用の新たなステップを踏み出すことに、高揚感を覚えております。

<九州大学大学院システム生命科学府長 片山佳樹氏コメント>
 ヘルステックの社会価値創造には、医療データ解析だけでは不十分で、人の健康や疾患の原因を生活環境、生活スタイルのなかで包括的に解析することが必須です。その為には、医療データと生活スタイルの生きたデータを掛け合わせることが重要ですが、これまでそのような取り組みは存在しませんでした。今回、「トライアル」様の顧客購買データを活用させていただけることで、これまで発想すらできなかった健康に関わる新しい因子が見つかることを期待しています。また、それにより健康長寿のための新しい流通システムのご提案にも繋げていただけると期待しております。