購買体験に限りなく近いマーケティング・ソリューションの確立へ (株)SalesPlus代表取締役 関晋弥インタビュー(後編)
購買体験に限りなく近いマーケティング・ソリューションの確立へ
(株)SalesPlus代表取締役 関晋弥インタビュー(後編)
トライアルグループにおいて、リテールメディアマーケティングの中核を担う株式会社SalesPlus。代表取締役である関晋弥へのインタビュー後編では、その取り組みに関する事例や今後の展望に迫る。
関 晋弥(せき しんや)プロフィール
2007年(株)電通入社。営業、マーケティングプランナー、プロモーションプランナーを経て、2018年に(株)SalesPlus設立(旧社名(株)T&D)。社名には、認知やクリックではなく、購買近接でのデジタルマーケティングで、セールス(売上)をプラスに、という想いが込められている。
前編はこちら
―パートナー企業との具体的な取り組みについて教えてください。
関「直近では調味料メーカー様や飲料メーカー様と行った事例で成果が出ています。両メーカー様とも、トライアルとイオン九州様を中心に新商品を展開する予定があり、各店で使用するコンテンツの制作~分析までをSalesPlusが一括で担わせていただきました。
従来はメーカー様が卸を行っている小売りごとに出稿するクリエイティブの制作・管理などを行う必要がありましたが、SalesPlusではコンテンツの企画から出稿、効果検証まで、各店をまたいで横断で行うことができます。
そのためメーカー担当者様の負担を減らしつつ、各出稿店舗の状況を踏まえた効果的な分析が可能になります。
トライアル店舗のサイネージ
トライアルとイオン九州様に来店されるお客様の数は、月間でのべ3,000万人ほどです。その規模感を土台として出稿期間中にABテストやクリエイティブ改善を行っていった結果、デジタルサイネージへの出稿実施店舗は非実施店舗に比べて150%~170%UPしました。今後は協業先の小売り様を拡大し、より複合的にマーケティングを行える体制を整えていきたいですね。」
―リテールメディアの可能性と、今後の展望について教えてください。
関「日本でのリテールメディアマーケティングは今後更に加速すると考えています。今は各小売りやメーカーが個社ごとに行っていますが、より規模を増した取り組みも増えてくるでしょうし、”リテールメディア”というものが広告や販促領域におけるメジャーな選択肢となってくるでしょう。
(左:Salesplus取締役 秋山さん、右:関さん)
ライアルにおけるリテールメディアの強みは、お客様への豊富なタッチポイントにあると思っています。先ほど述べたデジタルサイネージ以外にも独自のアプリや決済手段、スマートショッピングカートを通じた訴求や店内放送など、ここまで様々な試みができる小売りはなかなかありません。
それらのノウハウを活かして、まずはSalesPlusが国内にリテールメディアマーケティングの概念を浸透させていくとともに、我々自身が業界をけん引するトップランナーになるというのが当面の目標です。」