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Issues

対処すべき課題

当社グループは流通小売事業において、新規出店によって店舗網を拡大するとともに、生鮮を中心とした「食」の強化や、店舗改装などによって店舗の集客力及び収益性を高めてまいります。また、リテールAI事業においては、プロダクトやソリューションの新規開発や既存プロダクトの機能改善により、小売企業、食品・消費財メーカー、ベンダー等への更なる提供価値の向上に努めてまいります。

① 新規出店と店舗改装

当社グループの主力事業である流通小売事業では、店舗の新規出店や既存店舗の改装による集客力及び収益性の向上は重要な成長ドライバーであります。

当社グループでは独自開発の商圏分析ソフトであるRetail Mapによって、広範な自社データ(顧客属性、購買情報など)と、一般データ(商圏情報、地図情報、統計情報など)を組み合わせて分析できる環境を整備しており、当社グループの出退店の検討や既存店の業績改善に活用しております。

主力フォーマットであるスーパーセンターを今後も主軸としつつ、店舗サイズや商品構成の異なる複数の店舗フォーマットを有することにより、食品スーパー、家電・家具量販店、ホームセンター、アパレル店舗など、他社撤退跡地への柔軟な居抜き出店と、自社競合を低減したドミナント出店を可能としております。

また、自社出店以外にも事業再編やパートナーシップを通じた事業拡大についても積極的に検討しており、 2023年10月23日付の株式会社佐藤長からの一部事業の譲受を通じた小型店舗の拡大も実現しております。

当社グループは、2021年6月期から2022年6月期にかけて、既存店の改装による生鮮や惣菜など「食」を強化した店舗づくりにリソースを投じたことから、戦略的に新規出店数を抑制してまいりました。

2023年6月期以降は「食」を強化した新規出店が進んでおり、今後も事業の譲受等のインオーガニックな成長もあわせて、店舗網を拡大していく予定であります。

出店地域は、店舗ネットワークを有する九州を中心としたドミナント展開を軸に、九州以外の地域におけるネットワーク拡大も目指しております。

出店フォーマットは、主力のスーパーセンターを中心としながら、ロードサイドにおける大型店メガセンター及び都市部におけるsmartの出店を行うほか、スーパーセンターのサテライト型の小型店(TRIAL GO等)の出店を拡充することで、各地域のお客様支持の獲得・拡大を目指してまいります。

既存店につきましては、Skip CartなどのIoTデバイスの導入や、機械化や効率化により削減した人時をより高付加価値の作業に割り当てるというオペレーションの改善、生鮮食品をはじめとする地域の特性に合わせた品揃えの強化などの店舗改装を進め、地域のお客様が便利に楽しくお買い物をしていただける魅力的な売り場を実現します。2024年6月期は30店舗を改装しており、一定の売上高向上効果が発現しています。また、今後数年間におきましても毎年30店舗程度の改装を見込んでおります。

こうした新規出店及び店舗改装等に加え、プライベート・ブランド商品の開発強化や継続的な商品構成の見直し、適切な売価設定、販売費・一般管理費を含む徹底的なコストコントロール等を実施することにより、集客力及び収益性の向上を目指してまいります。

② 人材戦略

当社グループは、持続的・中長期的な企業価値の向上を実現していくにあたっての競争優位の源泉は「人材」であると位置づけ、多様な人材が活躍でき、働きがいがあり、安心して働ける職場環境や教育制度の整備、次世代経営者の育成を経営戦略上の重要課題としております。

当社グループのパーパスである『世界の誰もが「豊かさ」を享受できる社会をつくる。』を実現するため、多様な視点や価値観を尊重することが重要であることから、ダイバーシティー&インクルージョンプロジェクトを立ち上げ、女性、外国人、中途採用者、シニア層や障がいを持つ従業員など、多様な人材が活躍できるサポート体制を整備・推進しております。また、多様な人材の活躍を企業の成長につなげていく上では、全従業員への経営理念の理解・浸透を継続的に行っていくことが必須であり、教育上の最重要項目として実践してまいります。

当社の母体である株式会社トライアルカンパニーの「トライアル(TRIAL)」は、英語で「試み」や「試練」を意味し、「カンパニー(COMPANY)」には、会社という意味の他に「仲間」という意味があります。困難に屈することなく、「挑戦し続ける仲間たち」という意味が「トライアルカンパニー」という社名に込められてお り、失敗は財産であるという企業文化のもと、従業員1人1人が挑戦できる働きがいのある環境づくりとして、評価・報酬制度や次世代経営者育成プログラムなどの実施と継続的な改善を進めてまいります。また、流通小売業界のムダ・ムラ・ムリを削減していく「仲間」として他社との連携強化も経営上の重要課題と位置づけ、福岡県宮若市に流通DX開発拠点を構築し、メーカー、卸、他社小売などが一体となって流通DXの人材育成に取り組んでおり、今後一層その取り組みを強化してまいります。

多様な従業員1人1人が生涯成長し続けることで、当社グループの発展・成長と、社会全体の発展・成長の2つの価値の最大化につながると考えております。

③ テクノロジーやデータの利活用

お客様の嗜好の細分化、購買行動の多様化、電子商取引(EC)比率の向上などの外部環境の変化によって、実店舗運営を中心に事業活動を行う小売事業者にとっても、ITやAI等のテクノロジーの活用は必要不可欠な要素となってきております。当社グループにおいては、創業時よりITやデータを活用した経営を一貫して行ってきており、現在においては「リテールAI事業」として事業セグメントを「流通小売事業」と分離し、テクノロジーを活用したプロダクト及びソリューションの開発投資を積極的に行っております。それらのテクノロジーを自社利用するだけでなく、メーカーや卸、グループ外の小売企業等にも提供し、サービス利用料等を収受しております。

流通小売業界にとって、テクノロジーやデータを活用したビジネスモデルの変革は非常に重要であり、デジタ ルトランスフォーメーション(DX)へのニーズや投資意欲は益々高くなっていくものと考えております。グループ内での活用はもちろんのこと、データをメーカーや卸、物流及び小売企業間でシームレスに共有することで、業界全体の流通エコシステムを構築し、また、プロダクトやソリューションをグループ外の企業にも展開していくことで、流通小売業界に残る『ムダ・ムラ・ムリ』を解消し、業界の効率化を実現していきたいと考えております。

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